Quantcast
Channel: wpo調査報告書2.0
Viewing all articles
Browse latest Browse all 669

八王子のハイパーレスキュー隊。特殊災害対策車、乗り放題の大展示会

$
0
0
見事な訓練展示をみせてくれた第9消防方面本部のハイパーレスキュー隊。
訓練展示のあとは、さっきまで活躍してた特殊災害対策車や救助機動車両をそのまま展示。
しかも車両に乗り込みOKの満点サービス。特殊車両の中ではハイパーレスキュー隊員が車両の役割などを詳しく丁寧に説明してくれた。

車両を紹介するぞ。
車体に書いてる 9-xx の9は第9消防方面本部のこと、CS(Chemical Special)とかLS(ladder snorkel)とかは車両記号だ。


特殊災害対策車(9-CS1)
NBC災害に対応できる大型車両。陽圧機能で車内に放射性物質や毒劇物が侵入しない機構になっている。
扉の分厚さは放射線を遮蔽するために水を張れる構造になっているから。水は中性子を減速させるからな。
あらゆる側面が水で遮蔽できる構造になっているが唯一、運転席はガラス。運転席は鉛板で遮蔽する。
乗車していたHR隊員がひとりひとりに丁寧に説明。質問にもバッチリ答えてくれる。「優れた車両でも使うのはひとです。そのための訓練はつらくはありません。」ですって、超クール。



窓が最小限の代わりに車内にはモニタリング装置が備わっている。
運転席も鉛板で前が見えなくなるから車外モニタで運転するそうだ。ナビのバックもみたいなもんだ。
状態を示すLED表示もガス測定、危険区域測定中などNBC災害対策車両っぽいのから火災予防運動まで幅広くカバー。




特殊災害対策車(9-CS2)
NBC災害時に迅速な除染作業を行うことを目的とした車両で3+1のシャワールームを完備。
除染時の汚染空気、汚染水を外部に漏らさない安全設計がされている。ポンプ車や消火栓から送水されることで長時間の稼働ができるぞ。
20130330-03.jpg

除染をするシャワールームは意外と普通な感じ。四角い板は車両に乗り込むための階段だ。




特殊災害対策車(9-CS3)
(たぶん)世界に1台しかない高踏破偵察車。
足回りを見てもらうとガッシリしてるのが判るだろ。悪路でも踏破する偵察車だ。
陽圧機能を搭載するとともに車外に分析装置、カメラ、風向風速計を装備してNBC災害の偵察は任せろ。



10t水槽車(9-SL)
10トンもの水を運ぶことができる水槽車。ただ水を運ぶだけじゃない。自ら放水できる放水銃も装備されているぞ。放水のためはもちろん、除染車(CS2)の水や災害時の水補給にも活躍が期待できる。
20130330-04.jpg


救助車(9-R)
20130330-06.jpg


重機(9-TC)
災害時に障害物を除去するための重機。
道が塞がってしまって車両が通れないときに消防が自分たちで道を開く。消防=消火といったイメージがあったけがハイパーレスキュー隊はまさしく救助のための部隊で災害時の救助活動で想定されるあらゆるケースに対応できる装備と訓練をしている。こいつの兄貴分は双腕作業機「アスタコ」だ。
20130330-08.jpg



屈折放水塔車(9-LP)
福島原発の3号機の連続放水して危機を脱してくれたのが屈折放水塔車だ。ブームを伸ばして22mの高さから放水できる。遠距離や高所にピンポイントで放水できる抜群の性能。
20130330-07.jpg


遠距離大量送水車(9-PS1)
水源から遠くに水を送水するための送水車。遠くの現場に向けてバンバン水を送り出す。バディはホース延長車(PS2)。必ずチームで出動するそうだ。
福島原発では海水を3号機に送り出した立役者。
20130330-09.jpg


ホース延長車(9-PS2)
後部にホースを積み込んで最大2kmまでホースを延長できる。走りながらホースを延長する。
福島原発では、瓦礫で走行できなくて延長できなかった。そんな現場でホースを延長できたのは放射線の被爆をしながらハイパーレスキュー隊員がホースを手に持ち延長したのだ。



無人走行放水車(ドラゴン)
消防隊員が近寄れないような災害現場に出動して放水をするデュアルファイターで遠隔から操作できる。やばい現場で活躍するので自らを熱から守るため自分で自分に水を撒く自己冷却機能が付いてる。
相棒はセーバーといって障害物を除去するのが任務。
20130330-14.jpg


珍しかったのは山岳レスキュー。東京都西部の山岳地帯がある八王子には山岳遭難者、山林火災など山の事故に備えて山岳レスキューが設置されている。
小回りの効く消防バイクやアルピニストのような装備を扱えるスキルが山岳レスキューには必要だ。消防ヘリとも密に連係をとる特殊なレスキュー隊だ。
イベント中に急遽要請があって出動していった。




ハイパーレスキュー隊員は大量の防護衣やブルーシートを手際よくあっという間に片付ける。
この季節、花見のあとの撤収も抜群に早そう。
20130330-10.jpg


20130330-15.jpg車両展示以外にも地震体験や消火器を使った消火体験など充実のラインナップ。
子供たちも楽しく火災予防に参加していた。
スタンプラリーやはしご車体験登場もあって


たくさんの特殊車両がじっくり見れて満足の一般公開だった。
雨天にも関わらずなかなか盛況でハイパーレスキュー隊に対する関心の高さが伺えた。また公開を頼むぞ。

ハイパーレスキュー隊は経験を積んだベテランが多いんだが第9消防方面本部のハイパーレスキューは新設だからなのか若くてカッコイイ隊員が多かったぞ。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 669

Trending Articles